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AI/IoTの商売 – 1

AI/IoTの本質

AIやIoTがバズワードとして大流行する今日、その本質を示唆する寄稿が、2011年にThe Wall Street Journalに行われています。

Netscapeブラウザで有名な、Marc Andreessen氏による”Why Software Is Eating The World”です。

これは端的には「ソフトウェアが世界を飲み込んでいる」という主旨の投稿なのですが、その中では、オフライン産業のバリューチェーンについても、ソフトウェアはその多くを飲み込んでいる旨が指摘されています。

これは、仮想空間と現実空間の融合が進んでいる現状を的確にあらわしており、AI/IoTは、ソフトウェアが現実世界を取り込む際の架け橋になっていると、私は思います。

「IoTはもういいよ」

さて私が製造業の方と話しをしていると、しばしば「IoTはもういいよ」というご意見をいただきます。掘り下げてお話を聞くと、お金をかけてデータを取って、「さあ次だ」という番になっても、何も出てこない。要はコストが増えただけになってしまった、というものです。

経営サイドから見ると、経営の見える化を進められることは大きなメリットであり、そのためにAI/IoTの導入が進むケースも多いのですが、結局それが、コストカットの域を出て、きちんと商売になっているケースはあまり多くないように思います。

それはなぜでしょうか?

「バズワードでは飯は食えない」からだと私は思います。
今に始まったことではありませんが、大胆な事業ポートフォリオの組み換えができずに苦戦している日本企業が多く見られます。
AI/IoTが提唱されてから、そこに向けていち早く、大きく舵を切った企業は欧米に多く、ドイツ勢は官民タッグで、アメリカ勢は超巨大企業などが、このバズワードを「全力で」推進して、成果を上げてきています。

はっきり申し上げて、日本企業はトータルシステムとしてのAI/IoTで「出遅れた」のです。だから儲からない。

日本の商機は、現場発のボトムアップ

では、日本企業に商機がないのかと言えばそんなことはありません。ドイツ勢が得意な「マスカスタマイゼーション」や「工場をまるごと輸出する」、アメリカ勢が得意とする「ものづくりのサービス化」など、有益なものはどんどん使わせてもらいましょう。
その上で、「現場発のボトムアップ」で「超具体的なソリューションを形にする」ことにより「AI/IoTの商売で儲ける」ことができると思います。

その際大切なことは「IoTサービスを興す」「AI事業を提案する」というトップダウン的な思考ではなく、従来の改善活動の延長で、実際に使える超具体的なソリューションを考えることです。そうして考えた商売が、結果的にはAI/Iotを使っていた、となるのが理想です。

例えば、ベンチャー企業の株式会社フォトシンスはIoT企業そのものですが、前面に押し出しているのは「Akerun」という超具体的なソリューションです。

このような思考は、日本企業のお家芸だと思います。
・人手がかかっているところを置き換えられないか
・まだ目の届いていないところはないか
・まだ繋がっていないものをつなげて便利にできないか
などの思考軸で、現場発のボトムアップで商売を考えていけば、トップダウン的ビジネスとは違った土俵で戦うことができるはずです。

世界に名を知られているような、一部の企業しか対応できないようなビジネスを目指さなくても、着実に商売で儲けるための土壌が現場にはある、私はそう思うのです。