日本企業のloT導入の第一歩を支援する情報サイト

IoT 導入ステップ~企業価値を高めるIoTを導入するには?〜2/3

さて、IoT導入ステップ(1/3)では、「IoT」の導入を「デジタル変革:デジタルトランスフォーメーション」ととらえて自社への適用を企画し導入を成功させるための 具体的な「IoT導入ステップ」をご説明いたしました(図1)。


図1「IoT導入ステップ」

大まかな流れは、
1.プロジェクトチームを立ち上げ
2.チームメンバーで話し合いながら何のためにIoTを導入するかなど目標を明確化
3.IoTを導入して解決すべき課題・問題点を明確化
というような形になります。

これをビジネスプランニングセッションといいます。
・IoTを活用して課題をどのように解決するのか
・どのビジネスプロセスのどのデータを活用するのか
などを決定し、向こう半年ぐらいの導入のロードマップを描きます。

その後、本番導入の前にパイロットプロジェクトと称して、小さい規模で実証事件を何度か繰り返し、情報の取り方、その情報の可視化、分析などを行い効果を確認します。

ある程度の効果が期待できると判断したなら、本番に向けての事業計画を起こして、経営陣の決済を仰ぎ、承認を得てから、初めて本番プロジェクトに移行 するという流れになります。
スタートしてから、パイロットプロジェクトを繰り返し、本番への移行を決定するまで、企業規模にもよりますが、およそ半年程度かかります。

以上が本番に向けての大きな流れですが、このIoT導入ステップ(2/3)では、IoT導入の成否を決める大変重要なステップである「目標設定」から「ビジネスプランニングセッション」といわれる「企画フェーズ」の具体的な進め方を詳細にお教えしたいと思います。

IoTチームメンバーの選定

企画フェーズの詳細を表したのが、以下の図2となります。

図2「IoT導入ステップ その1(企画フェーズ)」(出典:(株)BFCコンサルティング)

さて、まずはIoTを実行するチームのメンバーを選定(図中①)します。
メンバー選定にあたっては、以下の図3「IoTを推進する必要条件」に記載しました、このチームに求められる「3つの能力」を念頭において人選することが 肝要です。
3つの能力とは以下の通りです。
① データ活用の企画力(現場の課題・問題点を特定できるビジネス力)
② 分析リテラシー力(収集したデータを分析し、解決策を発見する能力)
③ データの蓄積力(データエンジニアリング能力)


図3「IoTを推進する必要条件」(出典:(株)KSKアナリティクス)

それぞれの具体的な人間像は、①に関しては、長年現場のオペレーションに従事してきた方です。製造業では、生産管理や生産技術などの部署、物流業では倉庫運営責任者などの部署で腕を振るってきた方です。
いわゆる熟練技師、といわれる方々も含まれます。

②に関しては、統計学にある程度精通している、所謂「データサイエンティスト」と言われる方です。統計学に詳しくなくとも、昨今手軽に活用できるデータ分析ツールの扱いに手慣れた方で結構です。

③データの蓄積に関しては、いわゆるIT領域にたけた人材です。プログラムを一から開発する能力より、クラウドやネットワークに長け、以前に比べ、素早い期間でシステムを立ち上げることができる能力を持った方です。

初期の段階のチームでは、これらの3領域から一人ずつ集めて、リーダーを入れて合計4人からのスタートとなります。リーダーは、所謂CDO(Chief Data Officer)と呼ばれる位置づけの方で、これらの3種類の能力にたけた人材を活用して、IoTプロジェクトの方向性とその価値を経営陣に働きかけて推進していくことが求められます。

導入の肝となるIoT企画検討会

さて、プロジェクトチームメンバーの選定が終了しましたら、キックオフ(図中②)から、IoT勉強会(図中③)を経て、IoT企画検討会開催(図中④)と進んでいきます。IoT企画検討会は、プロジェクトチームが主催し、関係すると思われる部署の方々を集めて実行します。
筆者の経験から申しますと、例えばある製造業では、特定の製造事業所の生産管理、生産技術、品質保証、本社経営企画などの部署に声をかけ、プロジェクトメンバー含めて総勢10名~10数名程度の検討会を組成致します。

IoT企画検討会のメンバーが決定したら、いよいよ検討会の実施となります。
IoT導入の成否を決めるのは、「企画フェーズ」であると申しましたが、そのフェーズの中でも特に肝となるのが、このIoT企画検討会です。

この検討会の運営と、ここから出るアウトプット、いわゆる企画書の出来が良いとその後のIoT導入がスムーズに進んでいきますが、ここで失敗しますとIoTを導入してもなかなか結果が出ずに「一体何のためにIoTをやっているのか?」ということにもなりかねません。

IoT導入ステップ(3)では、この「企画フェーズ」の後編として、このIoT企画検討会の中身とアウトプットに関して解説いたします。