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IoT 導入ステップ~企業価値を高めるIoTを導入するには?〜1/3

はじめに

「あらゆるモノがネットにつながる『IoT(インターネット・オブ・シングス)』のネットワークを介して集めたビッグデータをクラウドに蓄積し、機械学習や人工知能(AI)で分析することができる世の中になりました!」

このような夢のような話とは裏腹に、筆者が日頃から多くの企業の方とお話をしておりますと、以下のような声をよく耳に致します。

「わが社の経営陣から、『他社に後れを取らぬよう、わが社もIoTを導入しろ』と言われているのだが、一体何から手を付ければいいのかわからないで困っている」

とか、

「何かを相談したいのはやまやまなんだが、何を相談していいのかわからないので頭を抱えている」などなど。

そこで今回から3回に分けて、読者の企業におきまして、IoTの導入をスムーズに開始するためのステップと方法論を解説いたします。

ITが高度に進化し、データでつながる時代

あらゆるものがネットにつながる「IoT」。
この「IoT」という言葉を、まずは一旦いったん忘れてください。
この言葉にとらわれておりますと、本来やるべきことを見失ってしまいます。

いま、IoTに始まる高度に進化したITが身近な存在となった今、我々がやるべきことは、「デジタル化」ではないでしょうか?

インダストリー4.0において一歩進んで動き出しているドイツも、IoTを目指しているのではなく、「Cyber Physical Systems(CPS)」、つまり一言でいうと「デジタルとアナログを融合したシステム」をインダストリー4.0のコンセプトとしております。

「デジタル・トランスフォーメーション:Digital Transformation」という言葉をお聞きになったことはありますでしょうか?

そのまま日本語にすれば「デジタルへの変革」です。
では、何を変革するのかといいますと、企業の場合は、ビジネスモデルやビジネスプロセス、またそこから生み出され市場に提供されるサービスや製品などビジネスに関係する全てを対象とした変革です。

2004年にスウェーデンのウメオ大学のエリック・ストルターマン教授が提唱したとされています。

要は、デジタル化への変革を行っていくことが大事なポイントなのです。

「IoT」の導入を「デジタル変革:デジタル・トランスフォーメーション」ととらえて、自社への適用をお考えになると、関係者の理解もより深まるのではないかと思います。

IoT導入の流れ

さて、以下の図1は、具体的な導入に向けてのステップを表しています。

図1「IoT導入ステップ」

大きな流れとしましては、まずプロジェクトチームを立ち上げて、チームメンバーで話し合いながら何のためにIoTを導入するかなど目標を明確にします。そして、IoTを導入して解決すべき課題・問題点を明確にします。

これをビジネスプランニングセッションといいますが、この中ではIoTを活用してそれをどのように解決するのか、どのビジネスプロセスのどのデータを活用するのかなどを決定し、向こう半年ぐらいの導入のロードマップを描きます。

その後、本番導入の前にパイロットプロジェクトと称して、小さい規模で実証事件を何度か繰り返し、情報の取り方、その情報の可視化、分析などを行い、効果を確認します。

ある程度の効果が期待できると判断したなら、本番に向けての事業計画を起こして、経営陣の決済を仰ぎ、承認を得てから、初めて本番プロジェクトに移行するという流れになります。

スタートしてから、パイロットプロジェクトを繰り返し、本番への移行を決定するまで、企業規模にもよりますが、およそ半年程度かかります。

図2「IoTにおけるシステム開発のイメージ」(出典:(株)BFCコンサルティング)

IoT導入のシステム開発においては、要件を定義して、基本設計、詳細設計を行ってから実装に入るといった比較的開発期間の長い従来の「ウォーターフォール型」から、素早く実装してテストを行いリリースするという短いサイクルを多数回しながら修正を加えて完成に持っていく「アジャイル型」が主体となります。
データを収集・蓄積して行きながら、分析を繰り返し、結果を出していくという方法がIoTには求められます。

以上が本番に向けての大きな流れです。

IoT導入ステップ(2)では、IoT導入の成否を決める、大変重要なとっかかりである「目標設定」から「企画フェーズ」の具体的な進め方を詳細にお教えいたします。